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アメリカ、カリフォルニア州に行く、一般的なツーリストの目的地はロサンゼルスやサンフランシスコ、サンディエゴなどが多いのではないだろうか。ロサンゼルスでユニバーサルスタジオやディズニーランド、ハリウッド、サンタモニカに行き、そのあとサンフランシスコに行くとか。あるいはネバダのラスベガスに行くとかが多いんじゃないかと思う。いずれも楽しいよね。行ったことないけど、サンディエゴの動物園や水族館も人気が高い。
これまでロサンゼルスには結構な日数滞在しているし、サンフランシスコにも何度か行ったり滞在したりしてるんだけども、カリフォルニアの東部にはあんまり行ったことがなかった。南北に長いカリフォルニア州の中央付近にはシエラネバダ山脈があるんだけど、その東側の砂漠地帯には、あまり行ったことがなかったのだ。モハビ砂漠の周辺は何度も行ってるけど、もっと南である。

そこで、仕事でネバダに行ったときに、リノで仲間と別れて一人旅をしてみることにした。目的はシエラネバダ山脈の東側を走ることである。クルマは、トヨタのビッツだったかな? リノでレンタカーを借りた。
レイクタホを経て、シエラネバダ山脈に沿うように走る州道395号線を南下していく。その途中で立ち寄ったのがビショップという街だ。
この街は、ウインタースポーツを楽しんでいる人なら馴染みのある街だ。近くのマンモスマウンテンはスキーリゾート、あるいはマウンテンバイクライダーに人気のエリアであり、ビショップはその入口となる街だからだ。

カリフォルニアの郊外と言うと、荒涼とした砂漠の風景が多いのだけど、このあたりは鬱蒼とした森だ。岩肌が露出した崖をもつ山々と森、そしてその下に広がる目情の緑がとても美しい。山脈の反対側、太平洋岸のカリフォルニアも美しいが、このエリアには全く違う姿のカリフォルニアがあった。


それは、無人のエリアが長く続くことも理由だと思う。カリフォルニアの太平洋沿岸は比較的大きな街が続くけれども、東部は無人の地域が続く。マクドナルドなどのチェーン店も少なくて、結果的に小さな個人経営のハンバーガーショップやベーカリーを発見しやすくなるのだと思う。
途中で、可愛らしい外観のハンバーガーショップに寄った。広い駐車場の奥には庭があり、みんなカウンターでハンバーガーを買って、そこでゆっくりと食べている。僕もクルマを停めてハンバーガーとコーラを買って食べる。やっぱり、アメリカのハンバーガーはうまい!

太陽が傾き始めたので、この日はビショップにあるゲストハウス「The Hostel California」に泊まることにした。ドミトリーで1泊25ドル。ビショップのダウンタウンを貫く州道から住宅地を少し入ったところにある、一軒家のゲストハウスだ。
パーキングに開いた庭のフェンスの入り口には「ゲストオンリー」と書いてあり、フロントは左手と書いてあるので指示通りにフロントに行く。入り口のブザーを押すと、ドアの電磁ロックが外れて、中に入ってチェックインした。
中はアメリカの古びた一軒家という感じで、居心地がいい。ベッドの場所を教えられて、キャッシュで代金を支払う。そのあと、フロントの愛想のいい青年が、ここがリビング、冷蔵庫ね、と案内してくれた。
部屋はパーキングに面した部屋で、さっき見た入り口のすぐ横だった。鍵はなくて、誰でもパーキングから出入りできる。じゃあ、あの電磁ロックはなんだったんだろう、と少しおかしくなった。ともあれ、ベッドに荷物を置いて庭に出た。庭にはたくさんのソファが置かれたダイニングスペースがある。腹が減っていたので、ビショップの街まで車で出て、中華料理を食べてまたゲストハウスに戻った。

庭のダイニングでは、数人の客が寛いでいた。カナダからやってきて、カリフォルニアを南下している青年。オランダから来ている女性。ビールを片手にしばらくみんなでいろんな話をした。カナダから来ている青年は、期間も目的地も決まってなくて、バスとかヒッチハイクで旅をしているのだという。少し羨ましいなあ、なんて思っているうちに夜は更けていった。
翌朝は、早めに起きてビショップの街を歩いてみた。クラシックなモーテルの看板。コインランドリー。図書館。幼稚園。教会。平和そうな町並みをゆっくりと歩いていくと、都会的なベーカリーが左手に見えた。
調べてみたら結構有名な店だった。1938年に創業したエリック・シャッツ・ベーカリーは、カリフォルニアのゴールドラッシュ時代に、スペイン・バスク地方出身の職人によって始めった石窯焼きパンの専門店だ。
今も手でパンを捏ね、石窯で焼いて羊飼い風のパンを出しているという。中に入ると、大量のパン、デニッシュ、そして美味しそうなサンドウイッチが並んでいた。コーヒーなど、飲み物の提供もあり、店内や店の外に設置されているテーブルで食べていくこともできる。


僕もサンドウイッチとコーヒーを買って、通り沿いのテーブルで自然な味わいのサンドウイッチを楽しんだ。芳しいコーヒーの匂いに、これから暑くなっていくことを予感させる、カリフォルニアの夏特有の涼しく乾いた空気。透明な日差しが、コーヒーの入ったカップに当たり、テーブルにくっきりとした影を作る。
あとから知ったことだが、このビショップは、パシフィック・クレスト・トレイルからほど近く、トレイルを歩くハイカーも立ち寄る街だった。それをこのとき知っていたら、トレイルを見に行ったのだけど。
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