次、どこ行く? 旅に出たくなるウエブサイト|tabilover.jp

犬とビーチ。


このウエブサイトは読者の皆様のご支援により運営しています。
よろしければ、リンクのポストカードセットを購入していただけると嬉しいです!
tabiloverオリジナルポストカードセット

自然とともに生きる

 カリフォルニアを1週間にわたって旅してきた。相棒はBMW R1200GSだ。ロサンゼルス郊外のトーランスという街でバイクを借り出し、海沿いを北上してサンフランシスコまで行き、帰りは内陸部を通って帰ってきた。その旅の模様はフリーライドマガジンという雑誌に書いたので、読んでくださった方もいるかもと思うけれども、いやはや楽しかった。

 この旅で感じたことは、「大丈夫?」と聞かれてしまいそうだが、「自然とともに生きる」ことの素晴らしさだ。僕は東京に住んでいるので、普段の生活はコンクリートと街の喧騒に囲まれていて、自然らしい自然に触れることはそう多くはない。通勤路に公園があるので季節のうつろいを感じるけれども、カリフォルニアの自然の雄大さ、パワーに比べたら額に入った絵のようなものだ、残念ながら。

アビラビーチの少し南にある宿、TIDE MOTEL。海が見えてしあわせ

 そのカリフォルニアの自然のなかでもっとも感銘を受けたのは、セコイア国立公園で見た樹齢3000年以上と言われるシャーマン将軍の木ではなく、サンシミオンの砂浜で見たゾウアザラシの群れでもなかった。いずれも日本じゃ見られない雄大な自然で素晴らしかったが、この旅の間で僕がもっとも幸せな気持ちになったのは、アヴィラビーチで遊ぶ犬と家族たち、そしてそこに降り注ぐ陽光と打ち寄せる波だった。このことも過去に書いているが、どうにもうまく説明できなかった気がするので、ここでもう少し詳細を書いてみたい。

 砂浜で遊ぶ犬なんて……そんなの日本でも見るじゃん? 僕もそう思う。でも、きっと自然の美しさがその瞬間、奇跡的なシンクロを果たしていたのだろうと思う。

 午前中の、上がりきる前の太陽の熱が体に当たって気持ちがいい晴れの日。風はほとんどなく波はおだやかだ。海沿いの道を走っていた僕は、ビーチの先で波が砕けて光の中で踊っている光景が気になってバイクを道端にとめた。ゴーグルにキラキラと差し込んでくる光があまりに眩しく、美しくて、バイクをとめたくなったのだ。

ときにはアシカやラッコも見られる

 バイクを下りて、眼下に広がっているビーチの先で、なにかが海に飛び込んだ。それは一匹の犬だった。海に入るのが楽しくて仕方がないようで、海に飛び込んでしばらく犬かきで泳いでまたすぐに砂浜に戻る。砂浜に戻ると、仲間の犬が数匹じゃれてくる。そのうちの一匹は、海に入るのが怖いようで波打ち際に近づくのだが、海に入れずそこで立ち止まってしまう。海に飛び込んだ仲間が羨ましいんだけど、怖い。そんな感じが伝わってきた。

 でも、しばらく見ていたら、その犬も最後には飛び込んだのだ。きっと怖かったんだろうなあ! 慌ててまた砂浜に戻ってきたけど、その後は怖くなくなったみたいで、何度も海に入ったり出たりを繰り返していた。そしてその合間に、左右に長く伸びるビーチを全力疾走する。

 その向こうで、やはり左右に長く伸びる波が、ゆっくりと砂浜へと打ち寄せてくる。砂浜に波が近づくと波頭が壊れて、光を振りまきながら犬たちへと打ち寄せる。

 温かい太陽の熱と、輝く陽射し。爽やかな空気と、波の音しかしない静かな世界。キラキラと輝く、福音という言葉を思い出してしまうような光景がこのビーチにはあった。

 思えば僕らは、この犬たちのように人生を楽しんでいるだろうか? 犬と違って仕事もあるし、退屈な日常をやり過ごさなければならない僕らだけど、でも、彼らと僕らを取り巻いているのは同じ太陽であり光であることをここで感じて、もっと感覚に頼って生きてみたいと思ったんだよね。太陽の熱が気持ちいい。気持ちよくなったら、嬉しくなってしまう。嬉しくなったら、走り出したくなる!

 バカみたいな話だけど、顔をしかめて時間を送るより、風や空気の匂い、光に素直に反応して楽しくなっちゃえばいいんじゃないの? そんなことを肌で感じられたことが、この旅最大の収穫だった。

この子は海沿いの道にとめたクルマの中で待たせられてた。いったい何をやったんだい?

Avira Beach, California, U.S.A.


このウエブサイトは読者の皆様のご支援により運営しています。
よろしければ、リンクのポストカードセットを購入していただけると嬉しいです!
tabiloverオリジナルポストカードセット

About the Author

コメントする

You may also like these

tabilover